ヒーリング中の、寝ているのに起きている状態
ヒーリング中の感想を聞くと、起きていたのに寝ているみたいだったというものはとても多く、変性意識状態(altered state of consciousness, ASC)に入っている時の状態だ。
変性意識状態は、ヒーリングには重要だと思っている。変性意識状態は、単純に気持ち良い。通常意識では感じづらい、より大きな懐に抱かれているようなそんな感覚がある。
自分のヒーリングプロセスを振り返ってみても、変性意識状態との取り組みは、とても重要で、眠る間際や、昼寝の時に、朝の起き掛けにまどろんでいる状態というのは、意識は目覚めているが、体は寝ている、という状態になりやすく、狙い目だ。はっきりとした印象的な夢を見たり、何か問題に感じていたことについて、ああ、こういうことだったのか、という理解が起こったりする。
全身をリラックスさせていくこと
ロバート・モンローが開発したヘミシンクの一番最初には、全身の力を抜いていき、意識を変性意識に落としていくという手順がある。全身がリラックスした状態が、一番最初のステップだった。その方法は、全身を順番に感じていきながら力を抜いていくというものだ。
ヒーリングが起こる時に大事なことも、これと同じで、全身がリラックスした状態である。
10年以上前の話になるけれど、ヴィパッサナー瞑想に参加したが、そこでの手法も全身の体の感覚を追っていく、というものだった。ヴィパッサナーは「物事をありのままに見る」という意味だ。
何もしないでいる、ということ
初めての集中的な瞑想体験だったが、そこで起きたあることが忘れられない。突然、20年以上前のある出来事がまざまざと思い出されたのだ。その時の生々しい感情と共に、シャボン玉がパアンと弾けるように、私のエネルギー体に押し込められていた、その時のシーンと感情がリアルに思い出されて、そして流れていった。
意識を落として、変性意識状態に近づけた状態で、体を感じると、体の捩れや硬結しているところなどがたくさんあることが感じられる。それらは、意識がその状態にあると、自然と解ける方向に動き出す。それらの動きを観察していると、プロセスを完了させようとしているように見える。
ヴィパッサナー「物事をありのままに見る」なので、何もしない。何かを変えようとか緩めようとはしない。不思議なことに、ただ観察していくだけで、それは、解けていく方へと動き出す。捩れや硬結を維持する方がずっと力がいることなのだ。
何もしないということは、そこにあるものを見ない、目をつぶる、ということではない。観ているけれど、何もしない。気づいているけれど、それに対応しない、ということだ。
未解決なプロセスと心からのリラックス
意識を下げて瞑想状態に入っていくと、意識では気がつかなかった心のざわめきが始まる。そういうものだ。特に昔からの未解決なプロセスの上に、似たような出来事のしこりは、引っかかりやすく、そこに積み重なって、少し固まりを大きくしていく。類は類を呼ぶように、同じパターンのものが同じところに折り重なっていくものだ。一つの出来事を剥いでいくと、その下に似たような出来事がある。
耳には聞こえない周波数でずっと鳴り続けるブーンブーンという音のように、私たちの未解決なプロセスは、どこかで鳴り続けている。感情の整理をすると、これらの音は鳴り止み、心は静まる。そしてまた一つ、自分自身の中で、リラックスすることができるようになっていく。
自分自身の体の中でリラックスする。他者といるときに(人間関係において)リラックスしていられる。それができるようになると生きるのがラクになる。
長期の取り組みが、心の安定を作っていく。じわじわとなされていくものだ。1人ではなく、信頼できるプラクティショナーと、そして心理療法家と道を歩む方が効率が良いが、それは、彼らが心の安定を作るには、時間がかかる、ということを知っているからだ。
※大きな症状がある場合は、該当する専門家にちゃんと相談しましょう。
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